歯磨きをすると歯ぐきから血が出る、口臭が気になる、歯ぐきが下がってきた、歯がグラグラする――。 このような症状がある場合、歯周病が進行している可能性があります。
歯周病は、歯と歯ぐきの間に蓄積するプラーク(歯垢)中の細菌によって炎症が起こり、 進行すると歯を支えている歯槽骨が失われていく病気です。 初期には自覚症状が少ないため、気づかないうちに進行しているケースも珍しくありません。
これまで進行した歯周病では、歯周ポケットの奥深くに存在する歯石や細菌へアプローチするため、 症例によって歯ぐきを切開する歯周外科治療が必要になることがありました。
しかし近年、歯周病治療の新しい選択肢として注目されているのが 「ブルーラジカルP-01」です。
ブルーラジカルP-01は、東北大学で長年にわたり研究開発されてきた技術をもとにした歯周病治療器です。 オーキッド歯科・矯正歯科でもブルーラジカルを導入し、 患者様の歯周病の状態に応じた治療の選択肢としてご提案しています。
そもそも歯周病とは?放置するとどうなる?
歯周病は、歯を支えている歯ぐきや歯槽骨などの歯周組織に炎症が起こる病気です。
歯と歯ぐきの境目にプラークが蓄積すると、細菌の影響によって歯ぐきに炎症が起こります。 初期段階では歯肉炎として現れますが、炎症がさらに深い部分へ進行すると、 歯を支えている歯槽骨が徐々に破壊される歯周炎へと進行します。
一度失われた歯槽骨は簡単に元の状態へ戻るものではありません。 そのため歯周病では、できるだけ早い段階で原因となるプラークや歯石を除去し、 炎症をコントロールすることが重要です。
歯周病でみられる主な症状
- 歯磨きをすると歯ぐきから血が出る
- 歯ぐきが赤く腫れている
- 口臭が気になる
- 歯ぐきが下がって歯が長く見える
- 歯と歯の間に食べ物が挟まりやすくなった
- 歯ぐきから膿が出ることがある
- 歯が浮いたような感覚がある
- 硬いものを噛みにくい
- 歯がグラグラする
特に「歯がグラグラする」「噛むと違和感がある」といった症状が現れている場合には、 歯周病が進行している可能性があります。
一般的な歯周病治療では何をする?
歯周病治療で重要なのは、歯周病の原因となるプラークや歯石を取り除き、 歯周組織の炎症を改善していくことです。
歯科医院では、歯周ポケットの深さや出血の有無、歯の動揺、 レントゲン画像による歯槽骨の状態などを確認したうえで治療計画を立てます。
スケーリング
スケーラーと呼ばれる器具を使用して、 歯の表面に付着した歯石やプラークを除去します。
SRP(スケーリング・ルートプレーニング)
歯周ポケットが深くなっている場合には、 歯ぐきの中に付着した歯石や細菌性の沈着物を除去します。
歯根面を清潔な状態に整え、 歯ぐきの炎症を改善させることを目的として行います。
歯周外科治療
歯周病が進行して歯周ポケットが深くなり、 通常の器具では歯石や感染源へ十分にアプローチできない場合には、 歯ぐきを切開して歯根面を確認しながら治療する歯周外科が検討されることがあります。
一方で、外科処置となるため、 治療後の腫れや痛みなど患者様への身体的負担も考慮する必要があります。
「できれば歯ぐきを切りたくない」という歯周病治療の課題
重度の歯周病では、歯周ポケットが深くなっています。
深い歯周ポケットの内部には器具が届きにくく、 プラーク中の細菌や歯石を十分に除去することが難しくなる場合があります。
そのため従来は、歯周基本治療で十分な改善が得られない場合、 歯周外科治療が選択されることがありました。
しかし患者様にとって、 「できることなら歯ぐきを切る手術は避けたい」 と考えるのは自然なことです。
こうした重度歯周病に対する非外科的治療の新たな選択肢として登場したのが、 ブルーラジカルP-01です。
歯周病治療を動画で解説 動画を見る
ブルーラジカルP-01とは?
ブルーラジカルP-01は、 東北大学で研究開発が進められてきた「ラジカル殺菌技術」を応用した歯周病治療器です。
長年にわたる研究開発と治験を経て、 2023年7月に医療機器製造販売承認を取得し、 2024年から販売・医療現場への導入が始まりました。
大きな特徴は、 歯周ポケット内のスケーリングと殺菌を同時に行うことです。
ブルーラジカルはどのように歯周病菌へアプローチする?
ブルーラジカルP-01では、 波長405nmの青色可視光と3%過酸化水素を使用します。
歯周ポケット内部で過酸化水素に青色光を照射すると、 光分解反応によって活性酸素の一種である 「ヒドロキシルラジカル」が生成されます。
このヒドロキシルラジカルによる殺菌作用と、 超音波スケーラーによる物理的な除去を組み合わせることで、 歯周ポケット内のデンタルプラーク中の細菌へアプローチします。
つまりブルーラジカルは、 単にレーザーを当てるだけの治療ではありません。
「ラジカル殺菌」と「超音波スケーリング」を組み合わせて、 歯周ポケット内の感染源へアプローチする歯周病治療です。
ブルーラジカルの大きな特徴は「切らない歯周病治療」
ブルーラジカルによる治療の大きな特徴の一つが、 歯ぐきを切開せずに歯周ポケット内へアプローチできることです。
従来、重度の歯周病では、 歯周基本治療だけで十分な改善が得られなければ 歯周外科治療を検討するケースがありました。
ブルーラジカルは非外科的に治療を行うため、 適応となる症例では、 外科処置を回避できる可能性を検討できるようになりました。
ただし、 「ブルーラジカルならすべての歯周病で手術が不要になる」という意味ではありません。
歯槽骨の吸収状態や歯の動揺、噛み合わせ、 歯根の形態などによっては、 別の治療方法や抜歯を検討しなければならないケースもあります。
そのため、まず精密な歯周病検査を行い、 歯を残せる可能性や適切な治療方法を診断することが重要です。
ブルーラジカルはどのような人に向いている?
ブルーラジカルは、特に深い歯周ポケットを伴う歯周炎に対して使用される治療機器です。
例えば、次のようなお悩みを持つ方は、 一度歯科医院で詳しい歯周病検査を受けることをおすすめします。
- 歯周病がなかなか改善しない
- 歯周ポケットが深いと言われた
- 重度の歯周病と診断された
- 歯ぐきから出血や膿が出る
- 歯がグラグラしている
- 歯周外科を勧められたが、できれば手術を避けたい
- 歯周病で抜歯が必要と言われ、歯を残せる可能性を検討したい
ただし、ブルーラジカルを使用できるかどうかは、 歯周病の進行度や口腔内の状態によって異なります。
ブルーラジカルだけで歯周病が治るわけではありません
ここは非常に重要なポイントです。
ブルーラジカルは歯周病治療における新しい治療機器ですが、 ブルーラジカルによる処置だけを受ければ、 その後何もしなくても歯周病が治るというものではありません。
歯周病の原因となるデンタルプラークは、 毎日の生活の中で再び形成されます。
そのため歯周病治療では、 歯科医院で行う専門的な治療と同時に、 毎日の歯磨きやデンタルフロス・歯間ブラシなどによる プラークコントロールが非常に重要です。
治療後も定期的な検査とメインテナンスを継続し、 歯周病が再発しにくい口腔環境を維持していく必要があります。
歯周病でグラグラする歯はブルーラジカルで残せる?
重度の歯周病で来院される患者様から多いのが、 「抜歯と言われた歯を残せませんか?」 というご相談です。
歯周病によって歯槽骨が大きく失われると、 歯を支える力が低下して歯がグラグラするようになります。
ブルーラジカルによって歯周ポケット内の感染源へアプローチすることはできますが、 すでに失われた歯槽骨や歯の状態によっては、 保存が難しいケースもあります。
大切なのは、 「ブルーラジカルを使えば必ず歯を残せる」と考えるのではなく、 現在の歯周組織の状態を正確に診断すること です。
残せる可能性がある歯なのか、 別の歯周病治療を組み合わせる必要があるのか、 あるいは保存することで周囲へ悪影響を及ぼす状態なのかを 総合的に判断する必要があります。
歯周病は早く治療するほど歯を守れる可能性が高まります
歯周病治療で最も大切なのは、 重症化する前に治療を始めることです。
歯周病は初期段階では自覚症状が少ない一方で、 進行すると歯を支える歯槽骨が徐々に失われていきます。
「痛くないから大丈夫」 「まだ噛めるから問題ない」 と思って放置している間にも進行する可能性があります。
歯ぐきからの出血、口臭、歯ぐきの腫れ、 歯のぐらつきなどが気になる場合には、 症状がさらに進行する前に歯科医院で検査を受けることが重要です。
オーキッド歯科・矯正歯科ではブルーラジカルによる歯周病治療に対応しています
オーキッド歯科・矯正歯科では、 一般的な歯周病治療に加え、 ブルーラジカルP-01を使用した歯周病治療にも対応しています。
当院では「ブルーラジカルを使うこと」そのものを目的にするのではなく、 まず歯周ポケットの深さ、出血、歯の動揺、 歯槽骨の状態などを確認し、 患者様のお口の状態に応じて治療方法を検討します。
歯周病の進行度によって必要となる治療は異なります。
通常の歯周基本治療で改善が期待できるケースもあれば、 ブルーラジカルを治療の選択肢として検討するケース、 その他の治療が必要になるケースもあります。
「歯周病と言われたが、どう治療すればいいのか分からない」 「歯がグラグラしている」 「できれば歯ぐきを切る手術は避けたい」 「抜歯と言われた歯について一度相談したい」 という方も、まずは現在のお口の状態を詳しく調べることから始めましょう。
まとめ|歯周病治療の新しい選択肢「ブルーラジカル」
ブルーラジカルP-01は、 青色可視光と過酸化水素によるラジカル殺菌技術と 超音波スケーリングを組み合わせた歯周病治療器です。
従来の歯周病治療に加えて、 深い歯周ポケットを伴う歯周炎に対する 非外科的治療の新たな選択肢が登場したことには大きな意味があります。
一方で、歯周病はブルーラジカルだけで完結する病気ではありません。 日常的なプラークコントロール、 歯科医院での歯周病治療、 治療後の定期的なメインテナンスまで含めて考えることが重要です。
オーキッド歯科・矯正歯科では、 ブルーラジカルを含め、 患者様の歯周病の状態に応じた治療方法をご提案しています。
歯ぐきからの出血や腫れ、口臭、歯のぐらつきなど、 歯周病が気になる症状がある方は、 重症化する前に一度ご相談ください。
SUPERVISOR
この記事の監修者
オーキッド歯科・矯正歯科
経歴
- 2015年
-
日本大学 松戸歯学部 卒業
卒後、都内や埼玉県内の開業医にて勤務 - 2022年
- 博士号取得(歯学)
- 2023年
- オーキッド歯科・矯正歯科 院長就任
所属・資格
- 日本歯科保存学会 認定医
- 日本顕微鏡歯科学会 認定医
- 日本メタルフリー歯科学会 認定医
- 臨床歯科麻酔管理指導医
- 日本口腔インプラント学会
- 日本インプラント臨床研究会 講習会委員
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