COLUMN

インプラントの費用はなぜ医院で違う?格安インプラントで確認したい5つのこと

歯科医師監修による歯科コラム

顎の骨に入ったインプラントと、となりの天然歯の断面

この記事のポイント

  • インプラントの費用差は、主に「インプラント本体のメーカー」「保証の長さと条件」「アバットメントなどの部品」「上部構造(人工歯)の素材」「手術・麻酔などに何が含まれるか」で生まれます
  • 長く使われてきたメーカーのインプラントは研究や臨床データが多く、将来の修理で部品を手に入れやすいことも大きな違いです
  • 奥歯の上部構造は、すり減りや変色が起こりにくいジルコニアが選ばれることが多く、安いプランではハイブリッドセラミックが使われていることがあります
  • 見積もりを比べるときは「1本いくら」だけでなく、メーカー名・保証・部品・人工歯の素材・追加費用の有無まで総額で確認することが大切です

「インプラントを調べていたら、20万円台の医院もあれば、50万円を超える医院もあって、どこを信じればいいのかわからない」。カウンセリングで、こうしたお話を伺うことがよくあります。

結論からお伝えすると、インプラントの費用が医院によって大きく違うのは、使っているインプラントのメーカー、保証の長さと条件、アバットメントなどの部品、上部構造(人工歯)の素材、そして「1本○円」の中に何が含まれているかが、医院ごとに違うからです。同じ「インプラント1本」という言葉でも、中身は同じではありません。

この記事では、費用の差が生まれる理由と、インプラントを構成する部品ごとの費用の考え方、見積もりを比べるときに確認したいポイントを、田町・三田のオーキッド歯科・矯正歯科がお伝えします。

インプラントの費用が医院によってバラバラな理由

インプラント治療は健康保険が使えない自由診療なので、費用は医院がそれぞれ決めています。一般的な目安は1本30万〜50万円前後ですが、20万円を切る広告を見かけることもあります。

この差を生んでいるのは、技術料の違いだけではありません。費用に大きく関わっているのは、次の5つです。

  1. インプラント本体のメーカー
  2. 保証の長さと条件
  3. アバットメントなどの部品の構成
  4. 上部構造(人工歯)の素材
  5. 手術費用・麻酔費用・検査費用などが含まれているか

順番に見ていきましょう。

1.インプラント本体のメーカーが違う

費用の差にもっとも大きく関わるのが、顎の骨に埋め込むインプラント本体(フィクスチャー)のメーカーです。インプラントは国内外の数多くのメーカーが製造していて、仕入れの価格もメーカーによってかなり違います。費用が抑えられたプランでは、比較的価格の安いメーカーのインプラントが使われていることが少なくありません。

長く使われてきたメーカーと、新しいメーカーの違い

インプラントは、骨の中でしっかり結合し、何十年も噛む力を支え続けなければならない医療機器です。長い歴史をもつメーカーの製品には、次のような特徴があります。

  • インプラントの形や表面の加工、骨とのなじみ方について、長年の研究と臨床データが蓄積されている
  • 世界中の歯科医院で使われていて、治療方法や長期経過についての報告が多い
  • メーカー自身の製品保証が用意されていることが多い

一方、新しいメーカーの製品は価格を抑えやすい反面、長期の使用実績がまだ少ないことがあります。新しいから悪いというわけではありませんが、「10年後、20年後にどうなっているか」のデータが少ないことは知っておきたい点です。

見落としがちな「将来の部品」の問題

インプラントは一度入れたら終わりではありません。長く使ううちに、人工歯が欠けたり、ネジがゆるんだりして、部品を交換することがあります。そのときに必要になるのが、そのインプラントに合う純正の部品です。

多くの歯科医院で扱われているメーカーであれば、引っ越しなどで別の医院に通うことになっても対応してもらいやすく、部品も手に入りやすくなります。反対に、扱っている医院が少ないメーカーの場合、修理先を探すのに苦労することがあります。インプラントの費用を考えるときは、治療が終わったあとのことまで含めて考えることが大切です。

2.保証の長さと条件が違う

インプラントの保証は、医院によって大きく違います。5年〜10年の保証を設けている医院がある一方で、費用を抑えたプランでは保証が1年だけ、あるいは保証がないこともあります。

保証の年数とあわせて確認したいのが、保証の条件です。多くの医院では「定期的なメインテナンスに通っていること」を保証の条件にしています。インプラントは虫歯にはなりませんが、歯ぐきや骨に炎症が起こる「インプラント周囲炎」にかかることがあり、毎日のケアと定期的なチェックが長持ちの鍵になるからです。

当院の通常の保証は、インプラント体が10年、上部構造が5年で、当院が指定する定期メインテナンスへのご来院を条件としています。

3.使っている部品の構成が違う

インプラントは、ひとつの部品でできているわけではありません。下のイラストのように、いくつかの部品を組み合わせて1本の歯をつくっています。

インプラントの構造。上から上部構造(クラウン)、アバットメント、スクリュー、インプラント体(フィクスチャー)

CROWN(上部構造):お口の中に見える歯の部分

ABUTMENT(アバットメント):インプラント体と上部構造をつなぐ部品

SCREW(スクリュー):アバットメントや上部構造をインプラント体に固定する小さなネジ

FIXTURE(インプラント体):顎の骨に埋め込む人工の歯根

現在主流のインプラントは、インプラント体とアバットメントが別々の部品になっている「分離型(ツーピースタイプ)」です。アバットメントを使うことで、人工歯の角度や高さを噛み合わせに合わせて細かく調整でき、噛んだときの力をバランスよく伝えることができます。また、人工歯が欠けたときなどに、部品ごとに修理や交換ができるのも利点です。

これに対して、インプラント体とアバットメントがはじめから一体になっている「一体型(ワンピースタイプ)」もあります。部品が少ないぶん費用を抑えやすいのですが、骨の中での角度に合わせた調整がしにくく、トラブルがあったときに部分的な修理が難しいことがあります。一体型が適しているケースもあるため一概にはいえませんが、どのタイプのインプラントで、どの部品が費用に含まれているのかは、見積もりの段階で確認しておきたいポイントです。

4.上部構造(人工歯)の素材が違う

お口の中に見える人工歯の素材も、費用に大きく関わります。主な素材は次のとおりです。

素材 特徴
ジルコニア 非常に硬く割れにくい素材で、強い力がかかる奥歯にも使いやすい。色は単色の白から、天然歯に近い色合いのグラデーションまで選べる
セラミック(陶材を重ねたもの) 透明感があり、天然歯に近い色合いを再現しやすい。見た目を重視する前歯に選ばれることが多い
ハイブリッドセラミック セラミックとレジン(歯科用プラスチック)を混ぜた素材。費用を抑えやすい一方、長く使ううちにすり減りや変色、欠けが起こることがある

費用を抑えたインプラントのプランでは、上部構造にハイブリッドセラミックが使われていることがあります。ハイブリッドセラミックが悪い素材というわけではありませんが、噛む力が強くかかる奥歯では、すり減りや欠け、黄ばみなどの変色が起こりやすい傾向があります。

奥歯(臼歯部)のインプラントには、硬くて割れにくいジルコニアをおすすめしています。色も、単色の白から天然歯に近い少し黄みがかったグラデーションまで選べるので、周りの歯になじむ自然な見た目に仕上げられます。

5.「1本○円」に何が含まれているかが違う

広告やホームページに書かれている「インプラント1本○円」の金額が、どこまでを含んでいるかも医院によって違います。インプラント治療にかかる費用を、項目ごとに整理してみましょう。

インプラント(フィクスチャー)の費用

顎の骨に埋め込む、ネジのような形をしたインプラント本体の費用です。治療の土台になる、もっとも重要な部分です。オーキッド歯科・矯正歯科では、世界の主要インプラントメーカーのひとつであるノーベルバイオケア社の製品を使用しています。

アバットメントの費用

インプラント本体と人工歯をつなぐ部品の費用です。噛み合わせに合わせて人工歯の位置や角度を整える大切な部品ですが、表示によっては別料金になっていることがあります。

上部構造(人工歯)の費用

人工歯の費用です。前の章でご紹介したとおり、素材や色の再現方法によって費用が変わります。

手術費用

インプラントを顎の骨に埋め込む手術の費用です。手術は治療に欠かせないものなので、わざわざ「手術費用」と分けずに、「インプラント1本○円」の中に含めて表示されていることが多い項目です。

麻酔費用

インプラント1本の治療であれば、ふだんの歯科治療と同じ局所麻酔(浸潤麻酔)で行うことができます。痛みに敏感な方、嘔吐反射が強い方、歯科治療が苦手な方には、うとうとと眠ったような状態で治療を受けられる静脈内鎮静法をおすすめしています。インプラントを複数本入れる場合は、全身麻酔での治療も可能です。静脈内鎮静や全身麻酔は、通常は別料金になります。

そのほかにかかることがある費用

CT撮影などの検査・診断料、骨の量が足りない場合の骨造成(GBR、サイナスリフトなど)、仮歯、治療後のメインテナンス費用などが、別にかかることがあります。骨造成が必要かどうかは、CTで骨の状態を確認してはじめてわかります。

見積もりを比べるときのチェックリスト

複数の医院の見積もりを比べるときは、金額の大小だけでなく、次の点を確認してみてください。

  • 使用するインプラントのメーカー名と製品名
  • 保証の年数と、保証を受けるための条件
  • アバットメントの費用が含まれているか
  • 上部構造の素材(ジルコニア、セラミック、ハイブリッドセラミックなど)
  • 手術費用、CT検査・診断料が含まれているか
  • 静脈内鎮静や骨造成が必要になった場合の費用
  • 治療後のメインテナンスの内容と費用

「総額でいくらかかるのか」「そのお金で何が手に入るのか」がはっきりすれば、医院ごとの金額の違いにも納得しやすくなるはずです。

オーキッド歯科・矯正歯科のインプラント費用

当院のインプラント治療の費用は次のとおりです(税込)。

項目 費用(税込)
インプラント埋入手術費用(1本) Nobel Replace CC 400,000円
Nobel Biocare Active・Parallel CC 430,000円
上部構造(人工歯) 単色 120,000円
グラデーション 160,000円
セラミックレイヤリング 180,000円
保証 インプラント体 10年/上部構造 5年(当院指定の定期メインテナンスへのご来院が条件)
保証1年の低価格プラン 臼歯部1本の治療例 合計298,000円
ノーベルバイオケアのインプラント(手術費込)+単色ジルコニアの上部構造、保証は手術後1年

低価格プランは、奥歯で骨に問題がなく、骨を増やす処置をせずにそのままインプラントを入れられる場合の治療例です。骨造成や静脈内鎮静が必要な場合は、別に費用がかかります。CT撮影・診断・ご相談は無料で、お口の状態を確認してから総額をお見積もりします。お支払いは現金・クレジットカード・デンタルローンに対応しています。詳しくはインプラント治療のページと料金表をご覧ください。

1本のインプラントでも、チームで取り組みます

オーキッド歯科・矯正歯科は、まだ開院して日の浅い医院です。だからこそ、インプラント治療を検討している方が「この医院に任せて大丈夫だろうか」と感じるお気持ちはよくわかります。

当院の院長をはじめとするスタッフは、系列のオールオン4クリニックで、数多くのインプラント治療に携わってきました。骨が少ない方や本数の多い難しい症例は、2001年からインプラント治療に取り組み、ノーベルバイオケア公認インストラクターを務める医療法人ODC理事長の橋村吾郎が担当します。

インプラントが1本だけの治療でも、CTによる診断と治療計画づくりから、手術、人工歯の製作、治療後のメインテナンスまで、歯科医師・歯科衛生士・系列歯科技工所「DXE」の歯科技工士が情報を共有しながら進めています。

「他院の見積もりと比べてみたい」「自分の骨の状態でインプラントができるのか知りたい」という段階のご相談でもかまいません。田町・三田でインプラント治療をお考えの方は、オーキッド歯科・矯正歯科へお気軽にご相談ください。火曜〜日曜の19時まで診療しています(最終受付18:30、月曜・祝日休診)。

あわせて読みたい:インプラントとは?治療の流れや寿命を解説/インプラント・ブリッジ・入れ歯の違い

よくあるご質問

インプラント1本の費用の相場はいくらですか?

自由診療のため医院によって幅がありますが、インプラント本体・手術・上部構造を合わせて1本30万〜50万円前後が一般的な目安です。骨を増やす処置(骨造成)や静脈内鎮静が必要な場合は、別に費用がかかります。当院では、ノーベルバイオケアのインプラントで埋入手術費用が1本400,000〜430,000円、上部構造が120,000〜180,000円(いずれも税込)です。

格安のインプラントは危険ですか?

費用が安いこと自体が危険というわけではありません。ただし、どのメーカーのインプラントを使うのか、保証は何年でどんな条件があるのか、アバットメントや上部構造の素材は何か、手術や麻酔の費用が含まれているのかによって、同じ「1本○円」でも中身は大きく変わります。金額だけで比べず、内訳を確認してから選ぶことをおすすめします。

インプラントのメーカーによって何が違うのですか?

インプラント本体の形や表面の加工、骨とのなじみ方に関する研究の量、長期の臨床データの蓄積などが異なります。また、長く使われているメーカーは多くの歯科医院で扱われているため、将来ネジのゆるみや人工歯の破損などで修理が必要になったとき、部品を手に入れやすいという利点もあります。

インプラントの保証は何年くらいが一般的ですか?

医院やプランによって異なり、5年〜10年程度の保証を設けている医院が多い一方、1年や保証なしのプランもあります。保証には定期メインテナンスへの通院などの条件が付くことがほとんどなので、年数だけでなく条件も確認しましょう。当院の通常の保証は、インプラント体が10年、上部構造が5年で、当院が指定する定期メインテナンスへのご来院が条件です。

インプラントの費用は医療費控除の対象になりますか?

インプラント治療は、噛む機能を回復するための治療として医療費控除の対象になり得ます。1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費が10万円(総所得金額等が200万円未満の方はその5%)を超えた場合に、超えた分を所得から差し引ける制度です。デンタルローンで支払った場合も対象になります。最終的な判断は税務署が行うため、領収書は保管しておいてください。

見積もりだけでも相談できますか?

はい、ご相談いただけます。当院ではCT撮影・診断・ご相談を無料で行っており、骨の状態を確認したうえで、使用するインプラントや上部構造の種類、総額のお見積もりをご説明します。他院でお見積もりを受けた方のご相談もお受けしています。

SUPERVISOR

この記事の監修者

オーキッド歯科・矯正歯科 院長 水谷聖人

オーキッド歯科・矯正歯科

院長 水谷 聖人

患者様一人ひとりのお口の状態やご希望を丁寧に確認し、 分かりやすい説明と、できる限り痛みに配慮した歯科治療を心がけています。 虫歯・歯周病などの一般歯科治療から、 インプラント、矯正歯科、セラミック治療まで、 お口全体の健康を考えた治療をご提案いたします。

経歴

2015年
日本大学 松戸歯学部 卒業
卒後、都内や埼玉県内の開業医にて勤務
2022年
博士号取得(歯学)
2023年
オーキッド歯科・矯正歯科 院長就任

所属・資格

  • 日本歯科保存学会 認定医
  • 日本顕微鏡歯科学会 認定医
  • 日本メタルフリー歯科学会 認定医
  • 臨床歯科麻酔管理指導医
  • 日本口腔インプラント学会
  • 日本インプラント臨床研究会 講習会委員
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